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賃貸の物件選びは建物の構造を理解したうえで。

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木造・鉄筋・鉄骨の違いについて

 

隣家の音が響かない防音性や、激しくない室内の寒暖差など、賃貸物件を選ぶ際には間取り以外にも気にするポイントはたくさん。バストイレ別・独立洗面台といったわかりやすい設備については理解できてる人が多いと思います。一方で、建物の内面構造による住環境の違いは、意外と把握できていない人もいるのではないでしょうか?

今回は建物の構造について、木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの違いを詳しく説明します。

 

住環境はどのように変わる?

 

  • 構造の種類は、基本的に以下の4種類に区分できます。
    木造
    鉄骨造(軽量鉄骨造、重量鉄骨造)
    鉄筋コンクリート造(RC造)
    鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)

 

賃貸物件でバストイレ別や独立洗面台の有る無しで大きく水回り環境が変わるように、建物の構造が上記4種類のどれに属するかで、住居環境は大きく変化します。

具体的には、防音性・室内外の温度差・耐震性・通気性・耐火性
が挙げられます。住環境とは少しずれますが、賃料価格も建物の構造によって変化するため注意が必要です。

それぞれの構造について、詳しく見て行きましょう。

 

木造の特徴

 

木造は、建物の主な構造部分にあたる壁・柱・床・梁・屋根に木材を使用した構造・建築物のことです。

 

木造の特徴(メリット)
通気性が良く、 換気に優れる
四季に合わせて部屋の湿度を保つ
賃料が比較的安く設定されている

 

木造の特徴(デメリット)
気密性が低いため、生活音が響きやすい
通気性が良いため、冷暖房が効きにくい
耐火性が低い

 

木造に居住する上で、日常的に気になるポイントは通気性・防音性・室内の湿度と温度だと思います。

通気性についてですが、木造は他の構造に比べて通気性に優れています。これは木材と鉄骨を比較すると、その気密性から容易に想像できるでしょう。また、木材は通気性に加えて吸湿性も優れているために、室内の湿気が高い夏場や梅雨には空気中の水分を吸収し、室内の空気が乾燥する冬場には蓄えられた水分を放出するので、空気中の湿度を保つ役割を担います。通気性と吸湿性が高いと、部屋の中に発生するカビを抑える効果も発揮するため、これは木造の大きなメリットと言えます。

 

その一方で、通気性が高いことから生活音が漏れやすいというデメリットも持ちます。通気性が良い=気密性が低いために、隣家のテレビの音や話し声、扉の開閉音や足音などが聞こえやすくなっているわけですね。木造では部屋同士を仕切る壁が薄いケースも多く、生活音を遮断するのは中々に難しい問題です。音と同様に、木造では冷暖房を入れても通気性の良さから効きにくく、冷暖房を切るとすぐに設定した温度から戻ってしまうといったデメリットもあります。

 

また、木材は燃えやすい性質を持っているので、火災が発生した際は家屋全体に火の手が広がりやすくなっています。ただ、木材の中身まで燃えるには時間がかかるという側面もあり、火の手は広がりやすいものの、ただちにアパート全体が崩壊しまうわけではありません。

 

木造の特徴は一長一短のものが多くなっていますが、その中で入居者に一番喜ばれる点は「賃料の安さ」かもしれません。木造は他の構造よりも建設コストが抑えられ、かつ短工期で立てることができるため、比較的安い料金での賃料設定となっています。

他の条件よりも賃料をできる限り抑えたいと考える人は、木造の建物を中心に探すことをおすすめします。逆に、部屋の中で音楽を楽しんだり、友人知人をたくさん呼びたいと考えている方にとっては、防音性の低さからあまりおすすめはできません。

 

 

 

 

鉄骨造(S造)の特徴

 

鉄骨造りはS造とも表記され、Sはスチール(steel)の略です。その名の通り、柱や梁などの骨組に鉄製・鋼製の部材を使用している構造・建築物を指します。木造の柱が鉄や鋼に変わったものをイメージするとわかりやすいでしょう。人工的に強度を高めた鉄や鋼を使用しているため、木造と比較するとその強度に大きく差がでてきます。

 

 

鉄骨造は大きく分けて2種類あり、それぞれ「軽量鉄骨造」「重量鉄骨造」として区分されています。使用される鉄材・鋼材の厚みが6mm未満ものが軽量鉄骨造、逆に6mm以上のものが重量鉄骨造です。

 

軽量鉄骨造は一般住宅のアパートや低層階のマンション、木造では難しい広い間取りを必要とする体育館・工場などの建築物で利用されています。大手ハウスメーカーのハイツやアパートといわれる賃貸向けの集合住宅は、多くが軽量鉄骨増で建てられています。

 

ビルや高層マンションといった大規模な建築物には、重量鉄骨造が活躍しています。

 

鉄骨造の特徴(メリット)
柱と柱の間が長く設計でき、広い間取りが実現可能
耐久壁が不要のため、間取りの自由度が高い
木造よりも遮音性が高い

 

鉄骨造の特徴(デメリット)
断熱性が低いため、冬は寒く夏は暑い
柱型が出ている間取りが多い

 

鉄骨造の大きなメリットは、その構造上から広々とした間取りを実現できる点です。鉄骨は木材に比べて強度が強く、かつ鉄筋コンクリートよりも重量が軽いために、長い梁として使用ができます。これにより、柱と柱の間隔を広げられ、大きな窓や広いリビングといった空間を生み出すことができるのです。

また、基本的にALC床パネルと呼ばれる遮音性の高い床材を用いるため、木造と比べて生活音が響きにくくなっています。ハウスメーカーによってはALC床パネルの厚みが薄く、音が漏れやすいケースもあります。

 

一方で、重量鉄骨造になると柱のサイズが大きくなり、部屋の中で柱型が飛び出して、家具が置きにくい間取りになることもあります。
また、木造より約350倍断熱性が低いとされており、柱に使われる鉄・鋼が夏の暑い温度や冬の寒い気温を部屋に伝導させてしまいます。ただ、多くは外壁を厚くする外断熱工法が用いられるので、外温が伝導しにくい工夫はされています。

鉄骨造は木造よりも建築費用が高くなるため、木造に比べて若干賃料が高くなるケースが一般的です。

 

鉄筋コンクリート造(RC造)の特徴

 

 

鉄筋コンクリート造はRC造とも記載されます。「Reinforced Concrete Construction」の略で、柱・梁・床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されている構造・建築物のことです。鉄筋で型枠を作成し、そこにコンクリートを流し込んで固め、建物の強度を高めていきます。

鉄筋コンクリート造(RC造)は一般的なマンションに多く使用されている工法で、およそ10階までの低中層マンションの図面から目にする機会は多いと思います。

「アールシー限定で探して!」なんて不動産屋に言うと、この人ちょっと詳しそうだな・・と思われて対応が変わってくるかもしれません。

 

鉄筋とは?

鉄製・鋼製の丸棒のこと。引張力の弱いコンクリートを補強する目的で コンクリートの中に埋め込んで使用される鉄棒。

鉄筋は、引張力と呼ばれる引っ張る力には強いのですが、熱に弱く、水に触れ続けると錆びてしまう弱点があります。逆に、コンクリートは熱に強いのですが、引張力に脆い一面を持ちます。鉄筋の型枠にコンクリートを打ち込むのは、お互いの弱点を補強し、変形しにくく高い耐久性を出すためです。

 

鉄筋コンクリート造(RC造)の特徴(メリット)
デザイン性が高い
気密性が高いため、防音性に優れる
高い耐火性
高い耐震性

 

鉄筋コンクリート造(RC造)の特徴(デメリット)
外壁の厚みによって遮音性が左右される
賃料設定が高い

 

日常的な生活の上で、鉄筋コンクリート造(RC造)の防音性は大きなメリットと言えるでしょう。コンクリートによる気密性の高さは、低音でもしっかりと遮音してくれ、同じ条件の木造と比較すると防音性の差は約10倍にもなることがあります。隣家の生活音を遮りたい方はもちろん、部屋の中で音楽を聴きたい方にもおすすめの防音性です。

また、鉄筋コンクリート造(RC造)では、打ちっぱなしや吹付、壁やタイルの自由自在な貼り付けと、デザイン性に富んでいることも特徴の一つ。特に打ちっぱなしはシンプルかつおしゃれなデザインとして人気を博しています。

 

鉄筋コンクリート造(RC造)は非常に大きなメリットが揃えていますが、注意すべきデメリットも存在します。例えば、防音性について。鉄筋コンクリート造(RC造)は、その気密性の高さから、造りとして高い遮音効果を持っているものの、壁や床の厚さ・材質によって、防音効果が十分に発揮されないことがあります。

材質がコンクリートの躯体ではなく石膏ボードであれば、音は響きやすくなります。一般的には壁の厚さが150mm以上、もしくは200mm以上あれば十分に防音を期待できますが、それ以下である場合は生活音が聞こえてくる場合もあります。鉄筋コンクリート造(RC造)だからと言って、すべての建物・部屋が完全に防音機能を備え付けているわけではありませんので、注意が必要です。

 

また、鉄筋コンクリート造(RC造)の大きなデメリットとも言えるのが、設定されている賃料の高さです。

木造や鉄骨に比べ、使用する建築材料・工期・建物の規模から建設コストが高くなり、その結果家賃相場が高くなる傾向があります。

 

賃貸物件の種類によって異なりますが、同じ間取りの条件でも、木造と鉄筋コンクリート造(RC造)で毎月数万円の差が出ることも少なくはありません。

 

 

 

鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)の特徴

 

鉄筋コンクリート造(RC造)に、鉄骨が芯として加わった構造が鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)です。

 

SRCは「Steel Reinforced Concrete Construction」の略で、熱に弱く錆びやすい鉄骨造をコンクリートで包むことでカバーし、なおかつ鉄筋と鉄骨で揺れに対する弱さや引張力を補強します。具体的には、鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、そこにコンクリートを打ち込んでいきます。

鉄筋コンクリート造(RC造)と、基本的な防音性能に差はありませんが、耐震や建物自体の強度に差が出てきます。10階建以上の高層または超高層マンションなど、大規模な建物に多く採用されている工法が鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)と捉えておきましょう。

 

鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)の特徴(メリット)
デザイン性が高い
気密性が高いため、防音性に優れる
非常に高い耐火性
非常に高い耐震性

 

鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)の特徴(デメリット)
外壁の厚みによって遮音性が左右される
賃料設定がもっとも高い

鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)の特徴は、鉄筋コンクリート造(RC造)と大きく変わりません。デザイン性に富んでおり、高い防音性。耐火性・耐震性を備えています。比較をするのであれば、鉄骨を使わない鉄筋コンクリート造(RC造)よりも、耐久性が高い構造と言えます。

ただし、その分建設コストも高くなるために、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)は他の構造よりも設定される賃料相場がもっとも高いとされています。

 

 

まとめ

 

木造・鉄骨・鉄筋鉄骨コンクリートでは、その特徴から生活の環境が大きく異なります。

防音に優れた賃貸物件を探しているのであれば、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)をメインに見てみるのが良いですね。日本の風土に適してコスパの良い物件であれば木造、それなりの防音性と高すぎない賃料を求めるのであれば鉄骨造で部屋を探すのがおすすめです。

設備や間取りの条件だけではなく、建物の構造やその特徴を意識しておくことも、お部屋探しのポイントとなります。お部屋探しの際は、ぜひ自身の希望条件と物件構造の特徴を照らし合わせてみてください。